春の終わり

拝啓 君へ

春の終わり、君は何をしているだろう

愛でてていた桜はもう、散り 若葉が青青と茂ってきた

木陰の日差しはうららかで通りずぎる風は生ぬるい

眠くって眠くって仕方がない春は雨に降られていつの間にか夏がやってくる

水面に浮かんでいた花びらも、もうどこかへしずんでしまったようだ

あまりにも短い美しさだったなと思うけれど、だからこそ美しい 毎年のあの美しさを保っていられるんだね

別れは一瞬でないと、きっと美しくないんだ

綺麗に終わりを告げて、春は一瞬でいなくなる


敬具 僕より

拝啓 君へ

万年眠り姫

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